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インプラントの歴史


人工歯根を顎の骨に埋め入れる補綴治療、インプラント。


人工歯根により、インプラントは高い安定性を持ちます。治療後は硬い物もしっかり噛めるようになり、見た目も自然の歯に近づけることが可能です。


メリットが多いインプラントですが、そもそも、インプラントにはどのような歴史があるのか、気になる方・知りたい方も多いかと思います。


そこで今回は「インプラントの歴史」をお話しします。インプラントの基本的な仕組み、および、どのようにインプラントが誕生したのか ~ 現在のインプラント治療までをご紹介していますので、ご興味がある方はぜひ記事をご覧ください。


■インプラントの仕組み


①顎の骨に人工歯根を作ります


インプラントはフィクスチャーという人工歯根を歯が植わっている顎の骨(歯槽骨)に埋め入れます。フィクスチャーはチタン金属でできている物が一般的です。


チタン金属が持つ特性により、埋め入れたフィクスチャーは「オッセオインテグレーション(後述)」という生体的現象によって顎の骨と強固に結合します。フィクスチャーのザラザラした表面に顕微鏡レベルの細かさで顎の骨が入り込んで結合するため、ちょっとやそっとでは外れない、非常に安定性が高い人工歯根ができあがります。


②フィクスチャーにアバットメントを連結し、アバットメントに人工歯を取り付けます


埋め入れたフィクスチャー(人工歯根)には連結部品であるアバットメントを装着します。


アバットメントを介し、最後に人工歯(上部構造)を取り付ければインプラントの完成です。人工歯根に基づく高い安定性により、治療後はご自身の歯に近い感覚で硬い物もしっかり噛めるようになります。


■インプラントの歴史


◎1952年 ブローネマルク教授によるオッセオインテグレーションの発見

チタン金属が顎の骨と強固に結合する「オッセオインテグレーション」現象を発見したのはスウェーデンの医学博士、ブローネマルク教授です。


1952年、ブローネマルク教授はウサギの骨にチタン製の顕微鏡を取り付け、骨の代謝の様子を観察していました。


研究が終わり、チタン製の顕微鏡を外そうとしたところ、顕微鏡ががっちりとウサギの骨と結合して外れなくなっていることに気がついたのです。


ブローネマルク教授はこの「チタン金属の表面に骨の組織が入り込んで強固に結合する現象」を「オッセオインテグレーション」と名付けました。


上記のオッセオインテグレーションの発見がまさに、現代インプラントが誕生した瞬間です。以降は現在に至るまで、オッセオインテグレーションの原理を基に歯科インプラントの治療が行われています。


◎1965年 世界初の実用的歯科インプラント手術の成功

オッセオインテグレーションの発見後、ブローネマルク教授はチタン金属と骨との結合についてさらなる研究を進めました。そして、1965年、スウェーデンにて世界初の実用的歯科インプラントの手術が行われます。


手術は成功し、治療を受けた男性はその後42年もの長きにわたって大きな機能上の問題なくインプラントを使い続けました(途中、数回の交換あり)。


50年以上前に行われたインプラント手術で、40年以上、大きな問題なくインプラントを使い続けられたのです。この点からも、いかにインプラントが安定性が高い治療法かをお分かりいただけるかと思います。


■日本におけるインプラント治療の歴史


◎1978年 日本における初のインプラント治療が開始

1965年の世界初の実用歯科インプラント手術の成功を受け、世界各国のインプラントメーカーが歯科インプラントパーツの開発に着手。1970年代前半~中頃以降、世界にインプラント治療が広がっていきます。


{日本では、当初はサファイア製のフィクスチャーを使用していた}


世界でのインプラント治療の普及を受け、日本でも1978年より実験的にインプラント治療が開始されました。しかし、日本では当初、チタン金属ではなくサファイア製のフィクスチャーを用いていたため、顎の骨との結合が得られにくくフィクスチャーの脱落事故が頻発。歯科関係者のあいだで「インプラントは信用できない治療法」というイメージがつき、日本におけるインプラント治療の普及のさまたげになってしまいました。


◎1990年 小宮山教授によるチタン製インプラント治療施設の開院

1978年より日本ではサファイア製のフィクスチャーによるインプラント治療が行われ、多くの脱落事故が起きていました。その後、サファイア製に代わり、1983年にようやくチタン製フィクスチャーによるインプラント治療を導入するも、それまでの脱落事故の多さが原因で根付いてしまった不信感は簡単には払しょくできず、チタン製フィクスチャーによるインプラントがなかなか普及しない状態が続きました。


普及が進まない状態の中、東京医科歯科大学の小宮山弥太郎教授はスイスに留学。現代インプラントの生みの親であるブローネマルク教授から直接、チタン製インプラントに関する知識や技術を学んで日本に帰国します。


日本に帰国後の1990年、小宮山教授は日本初のチタン製インプラント治療の専門施設を開院。小宮山教授によるチタン製インプラント治療の専門施設の開院により、日本の歯科医師のあいだでチタン製インプラントの有効性が見直されることとなりました。


小宮山教授によるインプラント治療の専門施設の開院がきっかけとなり、現在では、日本国内の多くの歯科医院がチタン製フィクスチャーを用い、インプラント治療を行っています。


【インプラント治療に関するご質問・ご不安がある方はお気軽にご相談ください】


今回は「インプラントの歴史」についてお話をさせていただきました。


ブローネマルク教授によるオッセオインテグレーションの発見から、数十年以上の歴史を歩んできたインプラント治療。


チタン金属製のフィクスチャーを基礎として、現在は各社の開発よる、より安全で機能的・高性能なパーツが登場。1965年の世界初の実用的歯科インプラント手術の成功から今日に至るまで、インプラント治療は進化を続けています。


-インプラントの無料相談を行っています –


熊谷ディアベテスクリニック歯科では、インプラントのトップクラスメーカーの一つであるドイツのカムログ社が提供する「カムログインプラント」を用いてインプラント治療を行っています。


カムログインプラントはインプラントのデメリットであるアバットメントのゆるみが起きにくい「カムログシステム」や、CT検査の結果をフィクスチャーのガイド作製に反映できる「カムログガイド」など、機能性・精確性に優れている点が特徴です。


経験豊富な医長による手術およびカムログインプラントの使用により、徹底した安全性に基づく精度の高いインプラント治療をご提供いたします。


インプラント治療に関するご不安やご質問がある方は当院までお気軽にご相談ください。カウンセリングは無料です。ご予約はお電話にて承っております。


当院は、熊谷・深谷・行田など近隣市町村からの患者様はもちろん関東、東海・甲信越からご通院くださっている患者様もいらっしゃいます。治療回数を減らした治療プランのご提案も可能です。

熊谷ディアベテスクリニック歯科
医長 小西 雅也

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