歯並びを乱れさせる原因は大きく分けて2つあります。1つは遺伝・生まれつきによる歯並びの乱れ、もう1つは子どもの頃に行う口呼吸や舌癖(ぜつへき)、指しゃぶりなどの悪いクセです。
原因は2つありますが、遺伝で歯並びの乱れが起きるケースは少ないです。ほとんどの場合、子どもの頃の悪いクセによって歯並びが乱れます。
歯並びを乱れさせないようにするため、また、将来の永久歯の綺麗な歯並びを作るためにはお子さまが小さな年齢のうちに「咬合誘導」による小児矯正を行い、悪いクセをやめさせて正しいお口の使い方を身に付けることが大切です。
目次
■気をつけるべきお子さまのクセ
小さな子どもの顎は未成熟のため、外部からかかる力(クセによってかかる力)の影響を受けやすいです。お子さまがふだん何気なく行う以下のクセが歯並びを乱れさせる大きな原因になります。
[お子さまのこんなクセに要注意]
・口呼吸
・舌癖(前歯で舌先を噛む、前歯のあいだに舌先をだす、など)
・変な飲み方、変な噛み方
・指しゃぶり
・頬杖
など
お子さまの悪いクセが歯並びを乱れさせるメカニズムについては、こちらの記事でご説明しています。合わせてご参照ください。
■お子さまの悪いクセの改善を目指し、将来の綺麗な歯並びにつなげる「咬合誘導」
お子さまに悪いクセがあると、以下のようなさまざまな悪影響が発生するおそれがあります。
[お子さまの悪いクセがおよぼすお口・身体への悪影響]
1.口呼吸や変な飲み方・食べ方が原因で顎の筋肉や顎の骨格がしっかり成長せず、顎無し顔(口ゴボ、アデノイド顔貌)になる
2.悪いクセが原因で顎の骨格が正しく育たずに小さい顎のまま成長してしまい、永久歯がきちんと生えるスペースが不足してガタガタの歯並び(叢生:そうせい)になる
3.中学生以降や大人になって歯科矯正を行った場合、悪いクセが抜けていないと歯にアンバランスな力がかかってしまい、矯正で整えた歯並びが元の位置に戻りやすい(後戻りしやすい)
◎お子さまの歯並びを乱れさせる「根本的原因」の改善にアプローチします
お子さまの悪いクセを改善するには、小さな年齢(3~9歳、上限は12歳程度まで)の時期に行う小児矯正、「咬合誘導(こうごうゆうどう)」がおすすめです。
咬合誘導は歯並びを乱れさせる原因になるお子さまの悪いクセの改善を目指し、お口の正しい使い方を身に付ける小児矯正です。当院では3~12歳のお子さまを対象に咬合誘導による小児矯正を行っています。
熊谷ディアベテスクリニック歯科で行っている咬合誘導についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひ、ご参照ください。
◎咬合誘導の目的
[咬合誘導が目指すこと]
1.お口周りの筋肉トレーニング(MFT:口腔筋機能療法)を通じ、お子さまの悪いクセの改善を目指す
2.MFTにより正しいお口の使い方を身に付ける
3.MFTとマウスピース装着および床矯正により、顎の骨格を適切に広げる(お子さまの顎の健全な成長をうながす)
4.顎の健全な成長により、永久歯の綺麗な歯並びにつなげる
5.小さな子どもの時期に治療することでお子さまが生涯にわたり、歯並びや顎、お口の機能面で悩まないようにする
①お口周りの筋肉バランスの正常化&正しいお口の使い方
咬合誘導により、お口周りの筋肉バランスの正常化、および、正しいお口の使い方(お口を閉じて鼻呼吸する・正しく飲む・正しく食べる)を目指します。
②舌位置の正常化
小さな子どものうちに正しいお口の使い方を身に付けることでお口周りの筋肉バランスが整い、悪いクセが改善されて舌が正常な位置に戻る効果を期待できます。
③健全な顎の成長&将来の永久歯の綺麗な歯並び
お口周りの筋肉バランスおよび舌位置の正常化によって健全な顎の成長がうながされます。
健全に顎が成長して適切に広がることで永久歯がきちんと生えるスペースが確保され、将来の綺麗な歯並びにつながります。
◎咬合誘導の矯正期間・治療内容
咬合誘導は3~12歳のお子さまが対象となります。
治療期間は平均1~2年です(※)。
矯正中は毎日、ご自宅でお口のトレーニング(1セット2分×2回)を行い、日中1~2時間および就寝中にマウスピースを装着します。通院頻度は1ヶ月に1回程度です(※)。通院時にはお子さまのお口や顎の状態をチェックし、トレーニング指導を行います。
(※)歯並びや顎の状態によって治療期間、通院頻度が異なります。
■咬合誘導を続けていくために必要なこと
≪咬合誘導を続けるために欠かせない2つの要素≫
①治療を受けるお子さまの強い意思(「歯並びを治す」「最後まで治療をやりとげる」という目的意識)
②保護者様のご理解とご協力(お子さまに対するサポート)
咬合誘導は取り外し式の矯正装置を使って治療を行います。装置の装着時間も日中1~2時間程度+就寝中と短く、お子さまでも続けやすい点が特徴です。
ただし、咬合誘導は小さな子どもの時期に行うため、毎日のお口のトレーニングやマウスピースの装着が負担となり、お子さまによっては治療を途中でやめてしまうケースがあります。
咬合誘導を最後まで続けるためには、治療を受けるお子さまご自身が強い意思を持つことが大切です。保護者様をはじめ、ご家族や周りの方のご理解とご協力も欠かせません。
~お子さまの目線に立ったわかりやすい診療~
当院では、患者様・保護者様に丁寧でわかりやすい説明を心がけています。
お子さまをどなる、叱るなどの行為は絶対に行いません。お子さまの目線に立ち、歯科医師やスタッフがやさしく話しかけます。難しい専門用語はなるべく使わず、わかりやすい言葉で丁寧に説明いたします。
【お子さまの歯並びや悪いクセでお悩みの方は当院までご相談ください】
歯並びの乱れさせる原因のほとんどは子どもの頃の悪いクセです。
歯並びが乱れる前、または、歯並びの乱れが軽い子どもの時期に咬合誘導を受けることで、機械的矯正(装置で力をかけて歯を動かす通常の矯正)をせずに歯並びや顎の形が整う効果を期待できます(※)
(※)咬合誘導の効果を保証するものではありません。
お子さまの歯並びの乱れが大きいケースや顎の骨格が原因の歯並びの乱れは
機械的矯正または外科的矯正が必要になる場合があります。
お子さまの歯並び、悪いクセでお悩みの方は当院までお気軽にご相談ください。矯正相談は無料です。カウンセリングでは矯正治療の経験が豊富な歯科医師がお子さまの歯並びや顎の状態をじっくりと確認し、最適な治療方法をご提案させていただきます。