インプラント治療では歯ぐきの切開や顎の骨へのフィクスチャーの埋め入れを行います。外科的処置を行うため、手術後は患部を刺激しないように気をつけて生活することが重要です。
今回は「インプラントの術後に気をつけていただくこと」について当院で行う2回法によるインプラント手術の場合をご説明します。
目次
■インプラントの手術直後に気をつけていただくこと
◎手術直後は敏感な状態のため、患部を刺激しない
インプラントの手術直後(手術後2週間後ごろまで)は患部が敏感な状態です。手術直後に患部を刺激してしまうと炎症や化膿が起きたり、骨結合が阻害されて埋め入れたフィクスチャーが脱落することがあります。
患部の安静を保ち、フィクスチャーを固定させるため、手術直後は以下の点に気をつけて生活していただきます。
[インプラントの手術直後に気をつけていただくこと]
①処方された抗生物質を飲み切る
②うがい、歯みがきは気をつけて行う
③手術直後は長時間の入浴は避ける
④手術直後は運動を避ける
⑤手術直後から1週間程度、お酒をひかえる
⑥手術直後はタバコを吸わない
①処方された抗生物質を飲み切る
炎症や化膿を防ぐため、手術後、当日に抗生物質を処方します。処方された抗生物質はかならず飲み切ってください。飲み切らないと炎症や化膿が起きたり、フィクスチャーと骨の結合に悪影響をおよぼす可能性があります。
②うがい、歯みがきは気をつけて行う
手術後、当日は激しいうがい、患部周囲の歯みがきはともにしてはいけません。手術後すぐに激しいうがいや患部周囲の歯みがきをするとかさぶたができず患部の治癒が遅れたり、フィクスチャーと骨の結合に悪影響をおよぼす可能性があります。
1日程度であれば、患部周囲の歯みがきをしなくても歯の健康に大きな影響はありません。
しかし、患部周囲以外の歯はいつも通り歯みがきをしてください。
{手術翌日からは静かに口をゆすぎ、歯みがきをして清潔を保ちましょう}
翌日から2週間程度後の抜糸までは口腔内の清潔を保つために静かに口をゆすぎ、患部にふれないように歯みがきをしていただきます。
手術後、翌日からの口ゆすぎは、患部にふれないように水やぬるま湯をそっと口に含んで静かに吐き出すようにしてください。強い力での口ゆすぎ、がらがらうがいは厳禁です。
口ゆすぎと歯みがきは頻繁に行わず、起床時と就寝前、1日2回以内にしてください。
③手術直後は長時間の入浴しない
手術直後は、長時間の入浴をひかえてください。長時間の入浴をすると血行が良くなってしまい、痛みが増したり患部の腫れが大きくなる可能性があります。
④手術直後は運動を避ける
手術直後は、運動をひかえてください。運動をすると血行が良くなってしまい、痛みが増したり患部の腫れが大きくなる可能性があります。
⑤手術直後から1週間程度、お酒をひかえる
手術直後から1週間程度、お酒をひかえてください。お酒を飲むと血行が良くなってしまい、痛みが増したり患部の腫れが大きくなる可能性があります。
⑥手術直後はタバコを吸わない
手術直後の喫煙は厳禁です。タバコに含まれるニコチンには血管収縮作用があり、血流や骨代謝をさまたげます。タバコを吸うと患部の治癒が遅れたり骨結合が阻害されてしまい、埋め入れたフィクスチャーが定着せず抜け落ちることがあります。
■インプラントの手術後1年間は十分な注意が必要です
◎フィクスチャーが安定するまでは気をつけて生活しましょう
インプラントの手術後、1年以内がもっとも問題が起きやすい時期です。
通常、埋め入れたフィクスチャーが歯槽骨と結合し安定するまでの期間は上顎が6ヶ月間程度、下顎が3ヶ月間程度とされています(※)。
(※)患者様や症状により、結合までの期間が異なります。
インプラント手術直後の注意点に加え、手術後1ヶ月~1年以内は以下の点に気をつけて生活しましょう。
[インプラントの手術後1ヶ月~1年以内に気をつけていただくこと]
①フィクスチャーが安定するまで、患部で硬い物を積極的には噛まない
②禁煙を継続する
③定期メンテナンスをかならず受ける
- ①フィクスチャーが安定するまで、患部で硬い物を積極的には噛まない
安定する前に患部で硬い物を噛むと過度の刺激によって骨結合が阻害され、フィクスチャーが抜け落ちてしまうことがあります。
手術後、インプラントで硬い物を噛めるようになる時期については手術をした箇所(上顎、下顎)や患者様によって異なります。インプラントで硬い物を噛んで良い時期については歯科医師までおたずねください。
フィクスチャーが安定した後は本歯のインプラントで硬い物もしっかり噛めるようになります。
②禁煙を継続する
インプラントの手術直後にタバコをひかえるのはもちろんのこと、手術後1ヶ月を過ぎた後も禁煙を継続していただくのが望ましいです。
喫煙は患部の治癒を遅らせたりフィクスチャーと骨の結合を阻害します。「手術直後だけタバコをひかえる」ではなく、最低でも手術後、1年間は禁煙を心がけてください。
③定期メンテナンスをかならず受ける
インプラントの手術後は3~6ヶ月間程度のあいだ、少しずつ時間をかけてフィクスチャーが歯槽骨に結合していきます。骨結合が行われ、フィクスチャーが定着していく術後1年以内はトラブルが起きやすい時期です。トラブルに備え、術後1年以内はかならず、歯科医院で定期メンテナンスを受けましょう。
定期メンテナンスを受けることでお口やインプラントの異変をいち早く察知でき、インプラント周囲炎、むし歯、歯周病などのトラブルに対処しやすくなります。
【インプラントに関する不安や疑問がある方はお気軽にご相談ください】
インプラント手術後は1年を過ぎた後も定期メンテナンスを受け続けていただくことが望ましいです。毎日のセルフケアと歯科医院で受ける定期メンテナンスを継続することでインプラント寿命の延伸につながり、お口の健康を保ちやすくなります。
熊谷ディアベテスクリニック歯科ではインプラントの無料相談を行っています。インプラントに関する不安や疑問がある方はお気軽にご相談ください。