「歯医者は歯が痛くなったら、行くところだよね」
「別にむし歯じゃないし、今は歯医者に行かなくてもイイかな」
「歯科医院の定期検診って、どんな意味があるの?」
歯に対する健康意識が高まってきた、日本(※)。しかし、20年ほど前までは、「歯医者は歯が痛くなったら行くところ」という認識を持つ方が少なくありませんでした。
近年は、ご高齢の方も多くの歯を保っているケースが多いです。歯科業界では、「日本人の歯に対する健康意識が高まっている」と推測しています(※)。
(※1)厚生労働省歯科疾患実態調査(令和4年)より引用。
(※2)保険福祉動向調査「歯科受診者数(主たる診療内容別)」(1999年)より引用。
歯科医院には、歯が痛くなる前に行くのがおすすめです。歯が痛くなる前に、日頃から歯科医院で定期検診を受けることで、むし歯・歯周病などのお口の病気を未然に防ぎやすくなります。
目次
■定期検診の大切さ
◎お口の健康状態をチェックし、お口の病気の早期発見・早期治療につなげていきます
歯科医院の定期検診には、以下のような目的があります。
[定期検診の目的]
・定期的にお口の健康状態をチェックする
・むし歯・歯周病などのお口の病気や異常を早期に発見し、早期治療につなげる
・歯磨きでは落とし切れない歯垢・食べかす・歯石を除去する
{定期検診の内容}
定期検診では、主に以下の2つを行います。
①歯科医師によるお口のチェック
(必要な場合は患者様のご同意を得た上で、検査・治療を行うことがあります)
②歯科衛生士によるお口のクリーニング
(歯石取りを含みます)
◎歯が痛くなる前に歯科医院に行く理由
歯が痛くなる前に歯科医院に行くことをおすすめする理由は、歯が痛いときはすでに、むし歯・歯周病などのお口の病気や何らかの異常が起きている可能性があります。「歯が痛い」という場合は、すでにお口の病気・異常が起きており、歯・歯周組織にダメージを生じているケースが多いのです。
ベストは、「未然に防ぐ」こと。
お口の病気や異常が起きる前の段階で、未然に防ぐことが重要になります。
◎歯が痛くなくても、3ヶ月に1回程度のぺースで定期検診を
お口の健康を守るためには、歯が痛くなくても、3ヶ月に1回程度のペースで定期検診を受けるのがおすすめです(※)。
(※)患者様やお口の状態により、定期検診の推奨ペースが異なります。
日頃から歯科医院で定期検診を受けることで、お口の病気や異常を未然に防ぎやすくなります。
■日本人の歯に対する健康意識(予防意識)の変化
◎定期検診を受け、ご高齢になっても健康な歯を保つ方が増えています
2000年頃より前の日本では、「歯医者は歯が痛くなったら行くところ」という認識を持つ方が少なくありませんでした(※1)。
当時の調査結果では、1990年代後半の定期検診の受診率が2~6%前後と記録されています。定期検診の受診率の低さから、1990年代では、80歳以上で20本以上の歯が残っている方は、全体の10%程度でした(※1)。
(※1)保険福祉動向調査「歯科受診者数(主たる診療内容別)」(1999年)より引用。
現在は、日本人の歯に対する健康意識(予防意識)が高まり、定期検診の受診率は58%にまで向上しています(※2)。
2022年の調査では、80歳以上で20本以上、健康な歯を残している方が51.6%(80歳以上の方の約半分)に達しました(※2)。
(※2)厚生労働省歯科疾患実態調査(令和4年)より引用。
20年ほど前は、80歳以上で20本以上歯が残っている方は全体の10%程度だった、日本。ぜひ、今後もこのペースで、日本人の歯に対する健康意識が高まっていくといいですね。
【セルフケア+定期検診でお口の健康を維持】
お口の健康を守るためには、毎日の歯磨きと歯間清掃によるセルフケアが基本です。ただし、セルフケアだけでは、歯についた歯垢や食べかすなどの汚れ・歯石は落とし切れません。
セルフケアに加え、歯科医院で定期検診を受けることで、ご自身では落とし切れない歯垢・食べかす・歯石の除去につながります。定期検診により、むし歯・歯周病の進行を抑えやすくなる効果も期待できます。
大切な歯・歯周組織を守るために、セルフケア+3ヶ月に1回程度の定期検診でお口の健康の維持を心がけましょう(※)。
(※)患者様やお口の状態により、定期検診の推奨ペースが異なります。