歯科矯正は比較的、費用が高額になります。矯正費用は、ご提示している総額料金以外にも、外科的矯正(外科手術)やアンカースクリューなどの補助的治療の有無により、別途、治療費が発生することがあります。
矯正期間についても、患者様側の理由や歯科医師側の理由などにより、期間が延長するケースがあります。
今回は「大人の矯正でかかる総額料金以外の費用」および「矯正期間が長引く理由」についてご説明します。
目次
■成人矯正でかかる総額料金以外の費用とは
◎顎の骨切りなどの外科的手術(外科的矯正)
歯科矯正ではご提示している総額の治療費以外にも、ケースによって別途、治療費が必要になるケースがあります。
歯科矯正費以外に別途、発生する場合がある治療費には顎の骨切りなどの外科的手術が挙げられます。
顎の骨格が原因の骨格性の不正咬合(重度の出っ歯や重度の受け口、重度の叢生など)は、歯科矯正だけでは治せません。顎の骨格性の不正咬合は顎の骨切りなどの外科的手術(外科的矯正)を口腔外科や形成外科で受ける必要があります。外科的矯正を受けた場合は別途、治療費がかかります。
◎アンカースクリューなどの補助的手術
アンカースクリューとは、顎の骨(歯槽骨)に小さなネジを埋め込み、ネジを固定源として歯を動かす治療法です。
歯科矯正でアンカースクリュー治療を行う場合は、別途、治療費が発生します。
◎抜歯
歯科矯正で抜歯が必要な場合、矯正の総額費用とは別に抜歯費用がかかります。矯正のために行う抜歯は自費診療です。保険が利かないため、抜歯費用は全額、患者様の自己負担となります。
◎むし歯や歯周病の治療
矯正開始前の精密検査や矯正期間中にむし歯や歯周病などの病気が見つかった場合は、お口の病気を治す治療が必要になります。
お口の病気の治療を受ける際には、歯科矯正の費用とは別に治療費がかかります。むし歯や歯周病の治療費は保険が適用可能です(※)。むし歯や歯周病を保険・自費、どちらで治すかは患者様のご選択となります。
(※)保険適用の診療を行っている歯科医院に限ります。
■矯正期間が長引く理由
◎矯正装置が外れた、破損してしまった
ワイヤー矯正(ブラケット矯正)の治療中、矯正装置に力がかかり装置が外れたり破損するケースがあります。多くの場合、硬い物(飴玉や氷など、ガリガリと噛む物)や大きな物(丸ごとのりんごやスイカ、カットしていないステーキやフランスパンなど)をかじったことにより、矯正装置の外れや破損が発生します。キャラメルなどの歯につきやすい食べ物も矯正装置が外れたり破損する原因になります。
矯正装置が外れた場合は歯科医院にご来院いただき、装置を着け直す必要があります。矯正装置が破損した場合は、装置の作り直しを行わなければなりません。外れ・破損どちらも矯正装置を着けていない期間(本来の矯正装置の力を発揮できない期間)が発生するため、矯正期間が延長することがあります。
◎セルフケア不足により、むし歯や歯周病にかかってしまった
ワイヤー矯正中は矯正装置に対応したブラッシングが必要です。矯正装置に対応したブラッシングをしなかったり毎日の歯磨き(セルフケア)を怠ってしまうと、磨き残しによってむし歯や歯周病にかかってしまう場合があります。
矯正中にむし歯や歯周病にかかった場合は矯正を中断し、お口の病気の治療が必要になるケースがあります。むし歯や歯周病治療で矯正を中断した場合は矯正期間が延長されます。
◎マウスピースの装着時間を守らず、しっかり歯が動かない
マウスピース矯正で歯を動かすためには、定められた1日のマウスピースの装着時間を守る必要があります。マウスピースの装着時間を守らなかった場合、しっかり歯が動かず、矯正効果が半減したりまったく矯正効果が見られないことがあります。
マウスピースの装着時間を守らず治療計画通りに歯が動かなかった場合は矯正期間の延長、または矯正治療のやり直しが必要になります。
◎舌癖や口呼吸が原因でしっかり歯が動かない
舌癖や口呼吸などのクセがあるとしっかり歯が動かず、治療期間が延長することがあります。
舌で前歯の裏側を押すクセがある方は前歯が後ろに動きにくいです。舌を上下の前歯のあいだに突き出すクセがある方は上下の前歯を閉じる矯正力に支障が出ます。口呼吸の方は舌が下顎の中に落ち込みやすく(低位舌になりやすい)、歯並びを舌側に傾ける動きや前歯を後ろに動かす動きをさまたげる原因になります。
◎歯科医師の治療計画の立案ミス
歯科医師の治療計画の立案ミスにより、矯正期間が延長してしまうケースがあります。治療計画の立案ミスが発生する主な理由は「歯科医師の経験不足」と「精密検査の精度不足」です。
矯正治療を計画的に進めるためには、患者様ごとに異なる歯並びや顎の形を精密に検査し、入念に治療計画を立てる必要があります。
当院では、術前診査をしっかりと行い、矯正専門医による治療を行なっております。
【矯正に関するお悩みやご質問はお気軽にご相談ください】
「矯正費用で別途、治療費が発生するケース」および「矯正期間が延長する理由」についてご説明をさせていただきました。
矯正治療ではHP上に提示されている治療費以外の料金が別途、発生することがあります。
矯正にかかる費用を詳しく知りたい場合には、まずは一度、歯科医院で精密検査を受けることをおすすめします。精密検査により、どのような矯正方法が適しているか、外科的矯正やアンカースクリューなどの補助手術が必要かどうかを歯科医師が判断し、患者様にお伝えします。
治療費や矯正方法など、矯正に関するお悩みやご質問がある方は当院までお気軽にご相談ください。相談は無料です。ご予約はお電話にて承っております。