日本人の約8割がかかっているとされるお口の病気、歯周病。
歯周病は歯を失う原因の第1位です。歯を喪失したケースの約4割の方が歯周病が原因で歯を失っています(※)
(※)公益財団法人8020推進財団「第2回
永久歯の抜歯原因調査」(2018)より引用。
なぜ、こんなにも歯周病で歯を失う方が多いのでしょうか?その理由は、歯周病が「患者様ご自身では症状に気づきにくい」病気であることが大きく関係しています。
今回は、放置すると歯を失うこともある歯周病の進行度別の症状についてご説明します。
目次
■歯周病の怖さ
◎歯周病は痛みなどの症状を感じないケースが多いです
歯周病は痛みなどの自覚症状を感じにくい病気です。
むし歯は進行すると、通常、しみや痛みなどの症状を感じます。しかし、歯周病は初期段階である歯肉炎をはじめとして、中程度、重度に病気が進行しても、痛みなどの症状を感じないケースが多いです。
重度の歯周病で歯ぐきが大きく下がり(歯ぐきの退縮)、歯を支えている顎の骨(歯槽骨)が溶けても痛みを感じないことが少なくありません。
自覚症状に乏しいため、病気の存在に気づかず、放置してしまう方が多い点が歯周病の怖さです。
{歯周病は「静かな殺し屋」}
自覚症状に乏しく、病気の存在に気づきにくい歯周病。
症状に気づきにくい、という特徴から、アメリカなどの海外の国では歯周病を「静かな殺し屋(サイレント・キラー)」と呼び、恐れられています。
■進行度別 歯周病の症状
◎初期の歯肉炎から中程度、重度に進行するにつれ、さまざまな症状が現れます
歯周病は症状を感じにくい病気です。自覚症状に乏しいため、歯周病の存在に気づかず放置してしまう方が少なくありません(※)。
{自覚症状、症状の違い}
自覚症状···· ご自身で気づく症状
症状·········· ご自身で気づく・気づかないに関わらない、すべての症状
自覚症状に乏しいですが、歯周病はさまざまな症状が現れる点が特徴です。初期段階である歯肉炎から、中程度、重度に病気が進行するにつれ、以下のような症状が現れます。
{初期の歯周病(歯肉炎)}
・歯ぐきが赤く腫れる
・硬い物を噛んだときや歯みがきのときに歯ぐきから血が出る
{中程度の歯周病(歯周炎)}
・歯ぐきが赤黒くor赤紫色に腫れる
・硬い物を噛んだときや歯みがきのときに歯ぐきから血が出る
・食べ物を噛んだときや歯を噛み締めたときに歯ぐきから膿が出る
・食べ物を噛んだときや歯を噛み締めたときに違和感がある
・歯ぐきが弾力を失い、ブヨブヨになる
・歯ぐきが下がる(歯が長く見えるようになる)
・歯がグラつく
・口臭がする(腐った玉ねぎや腐った卵のような強い臭い)
{重度の歯周病(重度歯肉炎:歯槽膿漏(しそうのうろう))}
・歯ぐきが赤黒くor赤紫色に腫れる
・硬い物を噛んだときや歯みがきのときに歯ぐきから血が出る
・食べ物を噛んだときや歯を噛み締めたときに歯ぐきから膿が出る
・歯ぐきが弾力を失い、ブヨブヨになる
・歯ぐきが大きく下がる(歯ぐきが大きく下がって歯根がむき出しになることも)
・口臭がさらに強くなる(腐った玉ねぎや腐った卵のような強い臭い)
・歯がグラグラになり、硬い食べ物・弾力のある食べ物を噛みにくくなる(噛めなくなる)
・歯が抜け落ちる(ご自身でつまんで抜けるほど、歯がグラグラになる)
【歯と歯周組織を守るためには、セルフケア&定期検診、および、適切な歯周病治療が大切です】
歯周病から歯や歯ぐき、顎の骨を守るためには以下の2点を継続することが大切です。
・毎日のセルフケア(患者様ご自身で行う「歯みがき+歯間清掃」)
・歯科医院で受ける定期的な検診(歯周病メンテナンス)
セルフケア&定期検診に加え、患者様ごとに異なる歯周病の進行度に合わせて適切な治療を行うことで歯ぐき・顎の骨の状態が改善する可能性を高められます。
熊谷ディアベテス歯科クリニックでは、歯周病をはじめとするお口の病気を防ぐための定期検診を行っています。歯周病の方を対象にした歯周基本治療・歯周外科治療も実施しております。
当院で行っている歯周病治療について詳しくはブログにてご説明しています。併せてご参照ください。