日本人の平均寿命は年々延びており、長寿国として知られています。
世界でも有数の長寿の国、日本。しかし、重要なのは生命体としての平均寿命の長さではなく、「健康寿命」です。
健康的に生きられる健康寿命を延ばしてこそ、活き活きとした老後につながります。
今回は、健康寿命を維持するために大切な「噛む力」についてのお話です。
目次
■健康寿命とは
◎人の力を借りず、できることはご自身で行える年齢=健康寿命
健康寿命とは、介護などで人の力(家族の手、介護職員の介助)を借りず、できることはご自身で行える年齢を表す言葉です。
健康寿命に対し、一般的に言われる寿命とは、生命として命を終えるまでの生命寿命を指します。
■生命寿命=健康寿命、ではありません
◎人の力が必要になり、ご自身で行えることが少なくなると生活の質が低下していきます
生命寿命は文字通り、命を終えるまでの年齢です。
生命寿命は健康寿命ではありません。
生命寿命が長くても、食事や歩行、排泄などを自力で行えず、人の力が必要になると健康寿命は終わりに近づいていきます。健康寿命が終わりに近づくとご自身で行えることが少なくなり、生活の質(Quality of Life(QOL))が低下していきます。
■健康寿命のカギを握る「噛む力」
◎歯を失い、しっかり噛めないと健康寿命は短くなっていきます
・食べ物をしっかり噛めない
・入れ歯にしたものの、硬い物が噛めない
・入れ歯がずれる・外れることが多い
歯を失い、上記のように「噛む力」が衰えると健康寿命は短くなっていきます。
噛む力の衰えにより、肉や魚、繊維質の野菜、硬いナッツ類などの食材をしっかり噛めなくなる方が多いです。豊富な食材をバランス良く摂取することが難しくなるため栄養状態が低下し、全身の健康が悪化しやすくなります。
■健康寿命を延ばすには「噛む力」を保ち続けることが大切
◎ご自身の歯を残すのが最善の方法です
年齢を重ねても食べたい物をしっかり噛んで食事を楽しむためには、「噛む力」を保ち続けることが大切です。
お年を召されても、ご自身の歯を残すことで肉や魚、繊維質の野菜、硬い物などをしっかり噛んで食事を楽しめます。
ご自身の歯を残すためには、まずは、毎日の歯みがき+歯間清掃によるセルフケアが基本です。毎日のセルフケアをしっかり行い、併せて、定期的に歯科医院で検診を受けることでむし歯・歯周病をはじめとするお口の病気や異常の早期発見・早期治療につながります。
定期検診でお口の病気や異常を早期に発見し、早期治療を行うと共に定期的に歯のクリーニングを受けることで口腔内の清掃状態を良好に保ちやすくなり、ご自身の歯を残す可能性を高められます。
■歯を失ってしまった方は、インプラントがおすすめです
◎インプラントにすることで、治療後、しっかり噛めるようになります
いくつになっても噛む力を保ち続けるためには、ご自身の歯を残すのが最善の方法です。しかし、歯周病やむし歯、不慮の事故などが原因で歯を失ってしまうこともあります。
歯を失ってしまった方は、インプラントがおすすめです。人工歯根を顎の骨に埋め入れるインプラントであれば、治療後、硬い物もしっかり噛めるようになります。
■インプラントのメリット
取り外し式で安定性に劣る入れ歯や歯を削る必要があるブリッジと異なり、インプラントには以下のようなたくさんのメリットがあります。
メリット①安定性が高い
インプラントとは、ネジのような形をしたフィクスチャーを顎の骨(歯槽骨)に埋め入れる治療法です。
埋め入れたフィクスチャーは生体的現象により、顎の骨と強固に結合して人工の歯根が作られます。
人工歯根に基づく高い安定性により、インプラントの治療後は硬い物もしっかり噛んで食事を楽しめます。
メリット②ほかの歯を傷つけない
インプラントは失った歯の箇所にのみ、フィクスチャーを埋め入れます。ほかの歯を傷つけません。ほかの歯を傷つけないため、インプラントにすることで残っている歯の寿命の延伸にもつながります。
{ブリッジ・入れ歯は歯を傷つけるおそれがあります}
ブリッジは人工歯を取り付ける際に両隣(または片方)の歯を削るため、残っている歯の寿命が縮むことがあります。
部分入れ歯は残っている歯に金具をかけて使用する構造のため、金具をかけた歯のエナメル質が傷つく場合があります。部分入れ歯では噛む度に金具をかけた歯がひき倒されてしまい、歯がグラグラになるケースも。
メリット③ご自身の歯に近い感覚で使用でき、違和感が少ない
インプラントは固定式です。ご自身の歯に近い感覚でお使いいただけます。入れ歯のような違和感はほぼありません。
メリット④自然な白さの歯に近づけられる
インプラントの人工歯は透明度が高いセラミックでできています。セラミックは光をよく透すため、天然の歯のエナメル質のような自然な白さの歯に近づけられます。
保険のブリッジや部分入れ歯はレジンというプラスチック樹脂でできているため、歯が白く浮いているような不自然な見た目になることがあります。
メリット⑤発音しやすい
インプラントは固定式のため、発音しやすいです。
部分入れ歯や総入れ歯は使用中にずれてしまい、発音しにくくなることがあります。
メリット⑥顎の骨が吸収しにくい
インプラントは噛んだときの刺激が顎の骨(歯槽骨)に伝わりやすいです。人工歯根を通じて噛む刺激が顎の骨に伝わることにより、ブリッジ・入れ歯と比べてインプラントは顎の骨が吸収(吸収:骨が溶けること)しにくいメリットがあります。
ブリッジ(失った箇所にかける人工歯部分)・入れ歯は人工歯根がありません。噛む刺激が伝わりにくいため、ブリッジ・入れ歯は顎の骨が吸収しやすいです。ブリッジ・入れ歯が原因で顎の骨が吸収して溶けてしまい、歯槽骨のラインがガタガタになって噛み合わせが乱れることも。
メリット⑥お手入れがカンタン
インプラントは固定式のため、入れ歯のように取り外して洗う必要がありません。毎日の基本的なお手入れは歯みがき+歯間清掃でOKです(※)。
(※)インプラントと歯の健康を保ち続けるためには毎日のセ
ルフケアに加え、歯科医院で定期メンテナンス(お口の状態
チェック+歯のクリーニング)を受ける必要があります。
ブリッジは被せ物と歯ぐきの境目に歯垢や食べカスが溜まりやすく、ご自身では取り除きにくいです。定期的に歯科医院で境目部分をクリーニングする必要があります。
入れ歯は毎日、取り外して洗わなければなりません。毎日の洗浄に加え、汚れが多いときは専用の洗浄剤を使う必要があり、お手入れに手間と時間がかかります。
【「噛めない」「歯がない」お悩みは当院までお気軽にご相談ください】
健康寿命を延ばすためには、「噛む力」を保ち続けることが大切です。
噛む力を保ち続けるには、ご自身の歯を残すのが最善の方法です。毎日のセルフケアをしっかり行い、併せて、歯科医院で定期的に検診を受け、歯の健康を維持しましょう。
歯周病やむし歯などで歯を失ってしまった方は、インプラントにすることで噛む力を回復できます。「ほかの歯を傷つけない」というインプラントの特性により、残っている歯の寿命の延伸にもつながります。
「入れ歯でしっかり噛めず、食事を楽しめない」
「失った歯の治療でどれを選べば良いか、迷っている」
など、「噛めない」「歯がない」お悩みがある方は当院までお気軽にご相談ください。相談費は無料です。カウンセリングのご予約はお電話にて承っております。
-インプラント治療の経験が豊富な歯科医師による診療を行っています-
熊谷ディアベテスクリニック歯科は内科併設の歯科医院です。糖尿病をはじめとする基礎疾患をお持ちの方へのインプラント治療、および、骨造成が必要な難症例にも対応しています。
診察ではインプラント治療の経験が豊富な歯科医師が患者様の現在のお口のお困りごとをお伺いします。じっくりとお話をお伺いした上で、お1人お1人に適した治療方法・費用について丁寧にわかりやすくご説明をさせていただきます。