「インプラントはなぜ、高いんだろう?」
「インプラント治療は保険が利かないのかな?」
そういった、患者様からの声を耳にいたします。残念ながら、インプラント治療は保険治療では行えず比較的高額な費用がかかる歯科治療です。
しかし、インプラント治療はブリッジ治療と違い失ってしまった歯の両となりの歯に負担をかける事なく、入れ歯のように毎食後のつけ外しの手間もなく(※)自分の歯のように噛めるといった大きなメリットがあります。
インプラント1本あたりの治療費用は平均相場で30万~50万円程度と、金額にも幅があります。これは、クリニックによって治療方針が異なるためです。
※失ってしまっている歯の本数が多く骨の状態によってはインプラントと入れ歯を併用した治療方針をご提案する場合もございます。
今回は「インプラント治療の費用内訳」およびインプラント治療費を節約可能な「医療費控除」についてご説明いたします。
■インプラント治療の費用内訳
クリニックによってインプラント治療費が異なるのは、以下の理由によるものです。
◎インプラントは自由診療(価格を自由に設定できる)
インプラントは保険が利かない自由診療(自費診療)です。クリニックが治療費を自由に設定できます。このため、クリニックごとに金額に差がでてきます。
◎インプラントパーツの仕入れコストが治療費に大きく影響する
インプラント治療費を構成する物の中では、顎の骨に埋め入れるインプラント体がもっとも高い金額(高いコスト)になります(※)。インプラントパーツをどれくらいのコストで仕入れられるか、この点が治療費に大きく影響します。
(※)インプラント体によっては上部構造(人工歯)の方が
コストが高くなるケースもあります。
◎インプラント治療費の内訳
インプラント治療費は主に以下によって構成されています。
・インプラントパーツ(インプラント体およびアバットメント)
・人工歯(上部構造)
・検査料(レントゲンやCTによる撮影など)
・診療費(歯科医師による診察および診断)
・技術費(歯科医師による治療や手術)
・器具費(手術用キット、仮歯、外科器具、手術器具、サージカルガイドなど)
・薬剤費(麻酔薬や消毒薬、抗生剤など)
・設備費(洗浄機や滅菌器など)
上記をすべて足し、分割したものがインプラント1本あたりの治療費になります(※)。
このように、インプラント治療はさまざまな器具や機器が必要です。インプラント治療をお受けになる前には、上記のすべてが治療費に反映されていることを理解していただくことで、「インプラント治療費がなぜ高額なのか」をご納得いただけるかと思います。
(※)クリニックによって費用の算出方法が異なります。
■医療費控除のご案内
◎インプラントは医療費控除の対象です
けっして安くはないインプラントの治療費ですが、国の制度である医療費控除を利用することで全体の費用を節約できます。
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円を超える場合、申請を行うことで所得税の一部が還付される(戻ってくる)制度です。インプラント治療は医療費控除の対象です。
◎美容目的のインプラントは対象外となります
見た目を良くする目的のみでインプラント治療を受けた場合、医療費控除の対象外となります。
■医療費控除の申請手続きについて
◎医療費控除の還付金を受け取るには申請が必要です
医療費控除の還付金を受け取るためには申請が必要です。個人事業主の方は確定申告の際に合わせて医療費控除の申請を行います。給与所得者の方(いわゆるサラリーマンの方)は確定申告をしないため、還付申告で医療費控除を申請します。還付申告は確定申告と異なり、医療費控除の対象年から5年以内であればいつでもさかのぼって申請が可能です。
◎医療費控除の申請の流れ
医療費控除は以下の流れで申請・受け取りを行います。
①医療費控除の明細書を作成(1年間の医療費の合計と医療費控除額を算出)
②医療費控除の申請に必要な書類を用意する
③必要種類を所轄の税務署窓口へ提出または郵送で提出 もしくは e-Taxを利用して申請
④還付金の受け取り(口座への振り込みまたはゆうちょ銀行の窓口にて受け取り)
①医療費控除の明細書を作成
1年間にかかった医療費の合計を算出します。医療費は「対象になるもの」と「対象にならないもの」があります。
医療費の対象になるもの |
医療費の対象にならないもの |
・病気の治療に必要な治療費用 ・薬代 ・入院費 ・検査費 ・交通費(タクシー代は対象外)(ただし医療機関までタクシー以外の交通機関がない場合は対象となるケースもあり) など |
・美容目的のもの ・健康増進のためのビタミン剤など ・駐車場代 ・病院やクリニックにマイカーで行った際のガソリン代 ・タクシー代 など |
1年間の医療費の合計を算出後、ご自身の医療費控除額を計算します(「医療費控除額の計算式」にて後述)。
②医療費控除の申請に必要な書類を用意する
医療費控除の申請時には以下の書類が必要です。給与所得者の方は還付申告時に源泉徴収票の提出が必要になります。e-Taxによる申請では①と③は入力フォームに入力・送信するため不要です。
①医療費控除の明細書
1年間の医療費の合計と医療費控除額を記載した明細書です。ご自身で作成します。明細書は国税庁のHPからダウンロード可能です。
②マイナンバーと身元確認証明書
マイナンバー(12桁の数字)と運転免許証などの身元を確認する証明書が必要です。マイナンバーカードがあればそれ1枚でOKです。身元確認証明書は税務署の窓口での提出では原本を提示し、郵送の場合はコピーを必要書類に同封して提出します。
③源泉徴収票(給与所得者の方)
給与所得者の方は源泉徴収票の原本を提出します。個人事業主の方は源泉徴収票の提出は不要です。
[必須ではないがあると役立つ物]
・健康保険組合が発行する医療通知書
ご自身が加入されている健康保険組合が発行した医療通知書を医療費控除の明細書の代わりに提出できます。
[必須ではないが保管しておくべき物]
・医師の診断書
ケースによっては税務署から医師の診断書を求められる場合があります。熊谷ディアベテス歯科ではご希望の患者様に歯科医師が作成した診断書をお渡ししています。診断書が必要な方はご遠慮なくお申し出ください。
・医療費の領収書、レシートなど
医療費のレシートの提出は不要です。ただし、医療費控除の明細書を作成する際、正しい金額を記入するためにレシートが必要となります。クリニックが発行した領収書やお薬のレシートなどは捨てずに保管しておきましょう。
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医療費控除の申請に必要な書類を用意できたら、所轄の税務署で窓口申請または郵送による申請を行います。e-Taxによる医療費控除の申請も可能です。還付金は後日、登録した銀行口座への振り込みまたはゆうちょ銀行での窓口にて受け取る形となります。
■医療費控除額の計算式
◎医療費控除額=還付額ではありません
医療費控除の申請時にはご自身で医療費控除額を算出し、医療費控除の明細書に記入します。
医療費控除額は還付額(戻ってくる金額)ではありません。医療費控除額に以下の所得税率をかけた金額が還付額となります。
[還付額の計算式]
医療費控除額 × 所得税率 = 還付額
[医療費控除額の計算式]
その年に支払った1年間の医療費 - 保険金で補填される金額 - 10万円または総所得金額の5% = 医療費控除額(最大で200万円)
[所得税の早見表]
課税される所得分の額 | 所得税率 |
所得控除額 (所得から差し引かれる控除額) |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超えて330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超えて695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超えて900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超えて1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超えて4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円を超える場合 | 45% | 4,796,000円 |
◎還付金はどれくらい戻ってくる?
還付額は患者様の所得額によって異なります。たとえば、年収400万円の方がインプラント治療を受けて1年間に50万円を支払った場合、8万円前後が還付されます(※)。
(※)上記は一例です。還付額は患者様の所得額や医療費によって異なります。
〇還付額の具体例(シミュレーション)
・課税所得額400万円、1年間に50万円の医療費(保険金を差し引いた金額)を支払った場合
所得税は・・・372,500円
400万円(課税所得額)×20%(所得税率)-427,500円(所得控除額)=372,500円
医療費控除の申請による還付額は・・・180,000円
40万円(=医療費控除額=1年間の医療費50万円-10万円)×20%(所得税率)=80,000円
所得税として納めた372,500円のうち、80,000円が還付されます。
◎翌年の住民税も軽減されます
医療費控除は所得税の還付に加え、翌年の住民税も軽減されます。
■詳しくは国税庁のHPをご確認ください
医療費控除の詳しい手続き方法については国税庁のHPをご確認ください。
◇10年間の保証制度を設けています◇
当院では、患者様に安心してインプラント治療をお受けいただけるよう、以下の対象物に10年間の保証制度を設けています。
・上部構造(人工歯)(=アバットメントに接続する歯の部分)
・インプラントアバットメント(人工歯の土台)
・インプラント冠(インプラントブリッジ用のかぶせ物)
・インプラントによって支えられている入れ歯
インプラント体の保証内容は以下となります。
・埋め入れたインプラント体が2年以内に骨結合が得られず脱落した場合は再手術(再手術費用は無料です)
<保証条件>
※通常の使用範囲を逸脱した使い方(異常に硬い物を噛むなど)をした場合は対象外となります。
※当院指定のメンテナンスを6か月以上お受けいただけなかった場合は対象外となります。
【まずは無料相談でお気軽にご質問ください】
費用や治療内容など、インプラント治療に関する疑問やご不安がある方は、無料相談にてお気軽にご質問ください。お電話にてご予約を承っております。