熊谷ディアベテスクリニック歯科では、インプラントオーバーデンチャーによる補綴治療を行っています。
今回は、多くの歯を失った方の治療の選択肢の一つ「インプラントオーバーデンチャー」のご紹介です。
目次
■インプラントオーバーデンチャーとは?
◎片顎につき2~4本のインプラントで支える、取り外し式の総入れ歯です
インプラントオーバーデンチャーとは、片顎(上下)につき2~4本のインプラントで支える、取り外し式の総入れ歯です。
[インプラントオーバーデンチャーの仕組み]
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1.外科的な手術を行い、片顎につき2~4本のインプラント体(人工歯根)を埋め入れます(インプラント手術)(※1)
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2.埋め入れたインプラント体が顎の骨に結合するまで、数ヶ月程度、治癒期間を置きます(※2)
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3.インプラント体が顎の骨に結合したことを確認できましたら、インプラントに取り外し式の総入れ歯を接続します
(※1)歯周組織の状態によっては、歯周外科治療や骨造成
などの前処置・前治療が必要になる場合があります。
(※2)歯周組織の状態や症例により、骨結合にかかる期間が
異なります。上記以上の期間がかかる場合もあります。
◎インプラントに接続するため、総入れ歯の安定性を高められます
インプラントオーバーデンチャーでは、以下のような接続方式で、顎の骨に埋め入れたインプラントに取り外し式の総入れ歯を接続します。
[インプラントオーバーデンチャーの主な接続方式]
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・ボールタイプ
総入れ歯に作った窪みに、インプラント側に作ったボール状の突起をはめ合わせて、装着するタイプです。
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・バータイプ
総入れ歯に作った溝に、インプラント同士を連結するバーをはめ合わせて、装着するタイプです。
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・マグネット(磁石)タイプ
総入れ歯&インプラントに取り付けたマグネット(磁石)の力でお互いをくっつけ、装着するタイプです。
■インプラントオーバーデンチャーのメリット
1.安定性が高い
インプラントで総入れ歯を支えるため、インプラントオーバーデンチャーは安定性が高いです。
インプラントに接続する方式に基づき、通常の使用方法であれば、インプラントオーバーデンチャーは総入れ歯のずれ・外れがほぼありません(※)。
(※)インプラントオーバーデンチャーが絶対にずれたり
外れないことを保証するものではありません。
安定性の高さから、インプラントオーバーデンチャーは食べ物をしっかり噛めることが多く、発音もしやすい傾向にあります。
{保険の総入れ歯の場合}
歯茎や顎の粘膜のみで支えるため、保険の総入れ歯は安定性が低くなることも。
そのため、保険の総入れ歯は使用中にずれたり外れるケースが少なくありません。
2.1本ずつインプラントを埋め入れて歯を補う場合より、インプラント手術の回数・費用を軽減できる
インプラントオーバーデンチャーは片顎につき2~4本という、少ない本数のインプラントで総入れ歯を支える補綴治療です。
1本ずつ、多くの本数のインプラントを埋め入れて歯を補う場合と比べ、インプラントオーバーデンチャーはインプラント手術の回数・費用を軽減できます。
{1本ずつインプラントを埋め入れて歯を補う場合}
多くの歯を失い、失ったすべての歯を補う場合、1本ずつインプラント手術を埋め入れるのは大がかりな治療です。
インプラント手術の回数が多くなり、手術にかかる全体の費用もかなり大きくなります。
インプラント手術の回数が多くなると、患者様の肉体的・精神的ストレスも増えやすいです。インプラント手術の回数が多くなることで、手術中・手術後の細菌感染のリスクが高まる可能性も。
3.顎の骨の吸収を抑えやすい
顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め入れるため、インプラントオーバーデンチャーは総入れ歯で噛んだときの刺激が顎の骨に伝わりやすいです。
顎の骨に伝わる刺激により、インプラントオーバーデンチャーは顎の骨の吸収を抑えやすくなります。
{粘膜のみで支える保険・自費の総入れ歯の場合}
保険・自費を問わず、インプラントオーバーデンチャー以外の総入れ歯は、歯茎や顎の骨の粘膜のみで総入れ歯を支えます。
粘膜のみで総入れ歯を支える性質上、保険・自費の総入れ歯は噛んだときの刺激が顎の骨に伝わりにくいです。
噛む刺激の不足により、顎の骨が吸収を起こすケースが珍しくありません。その結果、顎の骨が吸収して骨が溶けてしまい、歯槽骨(歯を支えていた顎の骨)のラインがガタガタになってしまうケースも。
4.ご自身でいつでも自由に総入れ歯を取り外せる
インプラントオーバーデンチャーの総入れ歯は取り外し式です。
取り外し式のため、ご自身でいつでも自由に総入れ歯を取り外せます。お手入れの際は総入れ歯を取り外し、ご自身で総入れ歯の清掃を行うことが可能です。
{オールオン4(フルアーチインプラント、ボーンアンカードブリッジ)の場合}
インプラントオーバーデンチャーと比べられることがあるインプラント式のブリッジには、「オールオン4」があります。
オールオン4はネジでインプラントに人工歯ブリッジを固定する方式です。ネジ固定のため、オールオン4はご自身では取り外せません。
人工歯ブリッジの底などについた汚れを含め、オールオン4は、歯科医院で定期的に人工歯ブリッジを清掃してもらう必要があります。
■インプラントオーバーデンチャーが適している方
以下のようなお悩み・ご希望がある方は、インプラントオーバーデンチャーが選択肢として挙げられます。
□歯周病の進行などが原因で多くの歯を失い、歯の補い方で悩んでいる
□保険(または自費)の総入れ歯がずれたり外れることが多く、食べ物を噛みにくい
□少しでも、顎の骨の吸収を抑えたい
□多くの歯を失ったが、1本ずつインプラントを埋め入れて歯を補うことは避けたい
□自分で総入れ歯を洗いたい
□オールオン4よりも安い費用で歯を補いたい
【多くの歯を失った方、歯を補う治療でお悩みの方は当院までご相談ください】
インプラント式で安定性が高い総入れ歯、「インプラントオーバーデンチャー」の特徴・メリットをご紹介させていただきました。
「多くの歯を失ったが、失った歯の箇所に1本ずつ、インプラント手術を受けて歯を補うことは避けたい」
など、多くの歯を失った方、歯を補う治療でお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。インプラント(インプラントオーバーデンチャーを含みます)の相談費は無料です。
診察では、インプラント治療の経験が豊富な歯科医師が患者様の現在のお口の困りごとをお伺いします。じっくりとお話をお伺いした上で、一人ひとりの方に適した治療方法・費用について、丁寧にわかりやすくご説明をさせていただきます。